counter

THE PLAN9 15th「弁斗とジェッ太〜大阪ブレインドレイン〜」

(12/28 下北沢駅前劇場)
ザ・プラン9の本公演。今年夏の前公演に続き行ってきました。前回を上回るチケット争奪戦で、東京でも人気が一段と上がってることを実感した。もう一回り大きな劇場か、東京で2日で3回なのでもっと多くても良かったくらいだと思った。
今回は、プラン9の5人に加えて、新喜劇の女優、竹中絵里さんが参加。脚本は構成作家の覚王山氏が本公演で初めて書いたとのこと。演出は鈴木つかさ。パンフレットには「いつもは脚本」のお〜い!久馬と書いてあった(笑)演出は今までの何倍も大変だったとのこと。
キャストの紙にはスマイルマークと、物語の世界の概要がこのように記載されていた。

高校野球に甲子園が、漫才にM-1があるように、日本が誇るあの“漫画”にも若手ナンバ−1を決める大会があったら・・・?というお話です。
漫画最高!

・キャスト
ジェッ太:ヤナギブソン
弁斗:灘儀武
三浦:浅越ゴエ
泥野(ディーノ):鈴木つかさ
半田(パンダ):お〜い!久馬
寺野:竹中絵里
舞台は漫画家の事務所。アマチュア漫画世界一を決める大会が4年前から毎年行われていて、それに参加する為に集められた4人の男達。集めたのはモグリの編集者、三浦。三浦は元はプロの漫画家だったが、何故か突然漫画界から姿を消した。寺野は三浦の知り合いで、もうすぐ就職する大学生。それまで彼らの手伝いをしている。
弁斗とジェッ太は幼なじみでいつも一緒の仲良しコンビ。ジェッ太は弁斗から漫画の技術を教わり、2人が合作して漫画を描くようになったという。
チームは毎年この大会で優勝していたが、今年で終わりにしようと三浦が言い出す。出品する作品は4人がそれぞれ作ったネームから三浦が選び原作を決めて、全員で仕上げることになっている。そのために三浦がそれぞれの作品を審査する。
ここのシーンでは、漫画の内容が劇中劇として表現されていて、コント風でとても面白かった。内容は少年漫画風だったり、ドラえもん風だったり。いかにも漫画(アニメ)っぽい動きとセリフが笑える。何より動きや顔で笑いを取るのが芸人だな〜と思うところ。じいさんや少年などキャラをくるくる変えて、なりきるヤナギブソンには特に目がひきつけられた。灘儀と久馬の強烈な女性キャラが面白くてもっとも笑った。
中盤、作品を制作するシーンに入るところで三浦が「敵の背中の入れ墨のデザインを考えてくれ」と、4人にスケッチブックを手渡し、イラストを順番に披露する大喜利風に。灘儀が思わず役のキャラを忘れて素になってしまうハプニングも。これは毎回変わるのかな?
後半は、弁斗とジェッ太の友情が崩れはじめるシリアスな流れに。話はチームワークが乱れるところだが、演じる全員が息が合っていて、バランスもいいし、それぞれの個性も際立っていて、彼らは本当にチームワークが良いのだなと感じた。
話の中で、スマイルマークは重要なモチーフになっていた。そしてクライマックスには一波乱あって、最後は穏やかに終わる。漫画は魔法のように色々な世界を感じられる、人生を教えてくれる素晴らしいものだよ、という気持ちが伝わってくるようでした。私は学生時代は漫研だったので(女子校だし、真面目にはやってなかったけど)なんだか思い出してちょっと懐かしい感覚でした。
入れ替わりが激しい劇中劇の場面の途中で、暗転の時にセットの机の上の書類ボックスが落ちるハプニングがあって、床にちらばったのを明かりが付いてから気がつき、アドリブでセリフを繋げながら片付けて乗り切った場面があったのだが、終わってからカーテンコールの挨拶で「誰が落としたか分からない」と鈴木が話すと、「・・・実は俺です!」と手を上げたのは久馬だった。もう会場全体が大爆笑。「裏で何も言ってなかったやないか!」と驚く他のメンバー。最後に驚かせようと思ってたとは、さすがリーダーか(笑)
私はライブはこれが今年の見納めになりました。駅前劇場は2年ほど前が最後だったけど、あれから改装されて座席が座り易くなって疲れなかったのが嬉しかった。でも次回公演は、もう少し大きい劇場で見たいですね。本多でもいいと思うよー。そういえば、今月この前に見た舞台はPiperだったけど、プラン9の名称は後藤ひろひと氏が付けたそうで。続けて見て、ちょっと通じるようなものを感じました。