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1960年代のGSブームを探って、80年代を振り返る

日本ロック紀GS編コンプリート

サブタイトルが「PSYCHEDELIA in JAPAN 1966-1969」となっています。
1960年代のGSブームを探ってみようというわけで、資料としてはこの本が最高のようです。日本に出たGSバンドと音源がほとんど全部載ってるようです。
73年生まれの私が知っているのは、タイガースとスパイダースを懐かしソングかなにかで聴いた事があるくらいですが、こんなに多くのバンドが出てたというのを初めて知りました。
GS音楽はなんとなくしか聴いたことがないのだが、筋少には「内田GSふうソング」なる(勝手に命名)カテゴリがあって「俺の罪」「北極星の二人」最近だと「抜け忍」ですね。GSソングから影響を受けてるだろうって曲があります。
本ではオリジナルアルバムの他にもCD化された音源やコンピレーションも多数紹介されているので、カタログとしても保存版になりますね。GSに関するTV映像はほとんど残っていないらしく、ブーム時にトップクラスのGSが映画になり、そのDVDでだけ映像が見れるようです。
GSというのは、ビートルズが出てきてから日本ではこれまで「歌手とバックバンド」だったのが、演奏して歌うアイドル性があるグループとしてビートルズを真似たバンドが、主に芸能事務所が企画したものだそうです。それから海外のサイケデリックロックやヒッピー文化を取り入れて、日本独自のサイケ風になったのだとか。
フォークロックやニューロックと言われる歌手が出てきてから、GSは廃れたそうですが、その後も海外のマニアックな音楽ファンが注目して、海賊盤を出したり、コンピレーションアルバムを出して、今では日本であまり知られないようなカルトな曲が入っているそうだ。
本は最初1994年に出て、それから改訂と追加して2007年に再発したものですが、著者の黒沢進さんは本が出る少し前に亡くなられてしまったそうです。本によると最も好きなのはジャックスで、これを超えるアルバムはないと語られていました。
GSはバンドブームの元祖であるが、私が思い出したのは、オーケンの書いてるバンドブームじゃなくて、それよりもう少し前のこと。チェッカーズが出てきて大人気になったころだから80年代前半に、雑誌「パチパチ」が創刊されて、同時期に出てきたバンドがたくさんあった。CCBとかサリーはすでに人気だったけど、人気が出なかったと思われるバンド名がいくつもあった。ザ・ナントカズとかだいたい名前が付くのがGSでそれに似ている。たしか、「ザ・ブドーカン」なんて名前のバンドもあった。ちょっとしたバンドブームだったけど、それから米米クラブとかレベッカとか爆風スランプとかのメジャーバンドの人気で市場が底上げされて、インディーズから出るバンドブームに続いて行ったのだろう。