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アップル(コンピュータ)の30年史

アップル・コンフィデンシャル2.5J

上下巻です。ハードカバーで、けっこうなボリュームありました。
こないだ買った「アップルの法則」の新書を書いている林信行さんが共著で、被っている部分がかなりありましたが、それ以外の部分がとても多いので読んで良かったですし、資料としても保存しておけると思いました。
時系列に並んでるだけでなく、OSの開発や、会社の経営話や、ソフトウェアの話など様々な面から時代が前後しながら出てくるので混乱してしまうが、その度ごとに人物や開発の年表が入るので、少しは把握できるかと。


1976年にスティーブ・ジョブズが大学を中退して2人で設立したアップルコンピュータが、あっというまに人が増えて大きな会社になってしまう。とにかくジョブズという人物がすごいというか、普通の日本人では考えられないことをするんですね。
経営陣が次々変わり、引き抜いたり追い出したりするのだが、アメリカの会社って基本そういうものなのか?経営者が何十年もずっと同じという日本の会社にいるとよくわからない。
ジョブズが失敗したことを受けて、株主の一人がスリップ(失敗)のダジャレで下着のスリップを送ったとかいう感覚がわからんw


アップルが出来る前の時代は、業務用の大型コンピュータしかなかった。アップルはパーソナルコンピュータという1人1台の「ひとりで持ち上がるコンピュータ」がこれからは必要とされるとして開発した。今となっては当たり前のことだけど、当時はすごい画期的だったのですね。


私がMacを知ったのは1991年ごろかな。筋少の内田さんが、ツアー先にMacを持ち出して楽屋に置いて、ライブの本編が終わってアンコールまでの間にも、Macに向かってゲームをしてたって伝説がある。そのMac、ノートじゃないんですよ(笑)今でいうiMacのようなもの。たしかMacPlusかSEだったはず。
http://apple.ism.excite.co.jp/page/Macintosh+SE.html
キャリングバッグもあってこんなのだった。
http://maetan.jp/mac/SE30.html


1985年にジョブズが追い出されて退社して、1997年に復帰するんだけども、
私がMacを使い始めたのはその間。
当時、Mac雑誌を読んでもほとんど意味が分からなかったが、1年もするとだんだん分かるようになった。その時に書いてあった用語が本に出てきて懐かしかった。
未来のMacはこういう技術でこうなると書いてあって、それを想像してはわくわくした。
そのほとんどは無くなるか名前や形を変えて、現在のMac、OSXになっているのだ。
私はMacを売る会社で働くことになって、Mac互換機が出た時は辛かった記憶がある。OS9にもうんざりして、Windowsに乗り換えようとして一時メインで使っていたこともある。
ジョブズが復帰した以降、iPodが出てOSXが出てからは、私もまたMacを使うようになった。


ジョブズは社員をすぐクビにしたり、一緒に経営している人を裏切ったりして、自分勝手で義理人情のかけらもない冷たい人のような感じを受けるが、それは普通の人よりはるか先の未来に、求める理想の製品を作ることに全てをかけているからなのだと思った。
でも、がんを克服してからは、評判の悪い冷たい人からは変わったのだそうです。それがあの有名な、スタンフォード大学の卒業式のスピーチに現れています。
コンピュータは寿命があるが、ディズニーアニメのような作品には寿命がなくいつまでも受け継がれて、たくさんの人々を楽しませている。そのような作品を生み出すための製品をアップルは作っていくのだということです。