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市川哲史さんと「ヴィジュアル系」

市川哲史さんの単行本で、前に2冊出てたのをまとめてさらに追加して1冊の文庫になって今年再発したので、お得感あり。(ただしカットされた部分もある。)最初に出た時はオーケンの対談だけ立ち読みしたんだけど、他のところはもっと面白かった。
これ読みながら話ができる人と雑談したいんだけど、時間がなくて相手がいないのでブログに書くんだけどさー。(苦笑)以下市川さん風のかっこ笑で書く。
ほとんどXとLUNA SEAの話で、私は熱心なファンじゃないから、活動時期のエピソードとか知らなかった事ばかりだった。
YOSHIKIの「カレーが辛かったでキレてばっくれ伝説」などに代表される話は有名だが、ビジネスに関してひとりでなんでもやろう精神で、レコード会社作ったり世界進出するまでの努力がすごいってことはあまり知られてないだろう。広告のコピーも作ってたし、ビジネス本出してもいいんじゃないか(笑)
SUGIZOが語るLUNA SEAの活動を振り返るところでは、なんで解散したのかが解るんだけども、たしかに後から出てきたGLAYやラルクみたいな継続ができなかったのは、「失敗」と思ってしまうのかな。
オーケンがネタにしてる「スレイヴ」の名付けはSUGIZOが曲名から取ってファンクラブ名称にしたところから始まってるそうだ。それでLUNA SEAファンの名称がスレイヴになって、誰ファンを指すのに「RYUスレ」とファンが使うようになって、その後現在でも言われるが、いつまでもスレイヴなのもどうかと思っているみたい。
LUNA SEAに影響されて出てきたバンドが数多くあったけど、どれも初期のヴィジュアルだけで、後期に確立された音楽性はあまり継承されていないと思ってがっかりしているそうで。そうなのかなー。
ヴィジュアル系の代表としてXとLUNA SEAがあがるけど、曲の感じは違う。市川さんも書いてるけど、そもそも音楽性をさす言葉じゃないので誤解されやすい。私の認識だと、Xはジャパメタからで、LUNA SEAYOSHIKIプロデュースで出て来たけど、曲の系統はB-Tのほうだよね。

・ロッキンオン時代の後輩ライターである井上貴子さんとの対談。「文学少女」であった井上さんが、80年代のゴシックやニューロマなど洋楽にはまり、田舎からライブハウスに通ってファン交流していたそうで、ヴィジュアル系ファンの源流だったと市川さんが解説する。井上さんがなんで耽美な美少年が好きかと力説してるんだけど(爆笑)かなりわかる。オーケンが別の言葉で「やおい系」と言ってるが(苦笑)「JUNE」好きな女子で、中川勝彦本田恭章というかつての美少年アイドルの名前が出てくるという。私が中学生の頃読んでた「ファンロード」に出てくる漫画家が好きでよく出してたから知ってるんだけど(嬉笑)
ルーピー、のちのファック隊との違いが、男らしさを拒否してたところにあって、オタク的に鑑賞して楽しむというのが、私もそうだった。でも文学少女じゃなくて、ただ漫画アニメ好きだったんだけど。筋少ファンになってからオーケンの影響で、本を読むようになったほう。

・小室さんとの対談は、YOSHIKIがglobe加入した後のもので、以前のV2結成の思い出を語っている。
先週、TBSラジオ「コラムの花道」で吉田豪さんが小室哲哉本を語ってたんだけど、もともとメタル好きでもあったそうなので、メタルに影響を受けてるし、また後のV系にも影響を与えただろうと市川さんは考察している。
私は中学生の時に漫画好き友達にTMを教えてもらって、その子はその後SOFT BALLETファンになったんだけど、その流れはかなり納得いくでしょ(笑顔)V2は2人のファンが被ってなかったって書いてあったけど、SOFT BALLETとB-Tファンと、LUNA SEAファンが被るのもよく聞くので、TMファンから入ってV系を聴く流れもあると思った。


市川さんは、LUNA SEAが解散(閉幕)して、Xが解散してhideが亡くなったときに、「終わった」と認識したので以降の「ヴィジュアル系バンド」にはあまり興味がなくなったそうだ。市川さんもあの時代に燃えたファンみたいなのね。
でも私はこれからも、やっぱりいいバンドはV系の影響を受けて出てくるだろうなって思う。
エイベックスから今年デビューした「D」は、岡野ハジメさんプロデュースってのを最近知って、期待している。
あとは、やっぱりversaillesだねー。ただマリスの時のようなブレイクは無さそうな気もするが、それでいいと思う。
井上さんの対談でもあった、今でもV系を支持するファンの多くは彼氏の居ない女性だと(彼が出来たらあがるから)いうけど、これからは彼が出来ても結婚しても、ほんとに音楽とバンドが表現する世界観が好きならファンでいつづけるでしょう。