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筋肉少女帯@LIQUIDROOM

都内のコロナ感染がまだ減るかどうか分からない状況で、ニュースでも音楽や演劇界などで感染者が出ていて中止や延期がある中、メンバーだけでなくスタッフのほうも、もし何かあったらライブ開催できなくなる可能性がある。だから開催決まってチケット取れても当日その日までやるかどうか確定ではないし、自分自身も無事に迎えられるかどうか分からなかった。家のこともあるし。
まず恵比寿まで行く必要があるから、なるべく開演時間に近いように家を出たけども、途中で電車が少し止まってしまって本当にギリギリになってしまった。会場側も感染対策を取っていて、入場時の消毒と立ち位置が指定なので案内してくれて、ドリンク代前払いが現金だけだったのは残念だったが、会場内で持ち込みできずに帰りにボトルを持ち帰りだった。帰りも規制退場で間隔をあけてとどまらないようにしてくれた。
フロアがホールとは違って天井はそんなに高くないし、入り口ドアも1か所しかないので不安は少しあった。だが空調はよくきいていて扇風機も後方に入っていて、ライブ中に5分程度の換気タイムを設けていた。メンバー出てきても演奏前にドアを開けたままでMCタイムを少ししていた。
自分は後方の立ち位置指定で下手側だったのだが、まさかリキッドで柱の邪魔にあうとは。コロナ前だったら好きな位置で必ず見える場所に立てたものの、後方のスタッフPAブース横で柱が立ちふさがり、おいちゃんとオーケンは見えるんだけどうっちーとふーみんが見えなくなる。少し体をずらせばやっとうっちーは見えても、ふーみんは全く見えず、右側にずれてふーみんが見えたら今度は他3人が見えなくなるという。がっかりだったけど、立ち位置は最後尾で後ろの間隔はあり、右側はPAブースで体をつけられて空間があり、左側と前の立ち位置もまあ1M未満だが空きはある。それよりも前方の椅子席のほうが椅子をぎっしり置いているので、ある程度人と人との間隔はあっても1席空けではないから、少し不安になるだろう。
だが観客はFCのみで熱心なファンばかりで、注意事項も守ってマスクをして声は出さず、拍手と去年のホールライブの時に通販で売られた光るミニタンバリンでレスポンスをして、できることを最大限にして感染しないように努力をして、楽しもうとする気合が十分だった。

ちょうどPAブースが見えて、配信の画面も見えたのだが、どうやら完全にリアルタイムではなく45秒ほどのディレイがあったので、仕組みがなるほどと感心。
筋少のフルライブとしては去年11月ぶりで、先日のイベントで今年に2年ぶりの21枚目フルアルバム制作を発表。ほぼ完成して、今日はタイトルと発売日が発表された。タイトルを決める候補をと先日のメンバーイベントとオーケントークライブで話が出たが、そこからどれにするか決めようという趣旨のMCでメンバーに手書きでスケブに書かれたのを見せながらそれぞれ話をふって、でも実は決まってたタイトルをライブの後半で、紙を広げて発表した。この段取りのトホホさもまあ筋少オーケンあるあるな感じ。演奏も去年のホールライブの時と変わらず、ライブができることのうれしさを全体で感じられる。嬉しくて涙が出た。
特に久しぶりに披露した「わけあり物件」のノリで折り畳みやったり腕を上げてのったり、記憶も体でも覚えている。「ゾロ目」もすごく嬉しかった。活動復活後に完成された筋少の楽曲の最大の魅力だ。

ニューアルバムから1曲を披露した。こうして初めて筋少の新曲を初披露で聴けるっていうのは、自分が高校生のときから、今でも体験できるということに感激と感謝で、なんとも感慨深い。オーケンの説明でリードトラックということ。「楽しいことしかない」というタイトルも、オーケンが以前から言っている、願いのような希望のような、おまじないのような言葉だ。曲はミディアムで、今時の若い売れてるバンドの曲とは真逆のような、初めて聴いた印象だとやはり70年代のロック、フォークナンバーの感じだ。演奏したあとにオーケンが、20代のころでは絶対にやらないような曲だ、復活してすぐのころも考えられない、50過ぎたからこそだねという話。

アルバムタイトルからも、オーケンが歩んできた生い立ちと、筋少をはじめて数々の音楽経験や作家やイベント活動など、積み重ねてきた人生と、特に多くの映画から受けた影響をうかがえる。
それからMCの中で、オーケンが最近うっちーどうしてる?って近況を聞いた時に出たブルース・リーの映画に関する映像作品の話から、ふーみんも実はブルース・リーマニアで映画を見て音源も集めたんだよねって話になり、前のアルバムでオーケンがアチョーの怪鳥音をマネたっていうのをふーみんが聴いて音源と聴き間違えて権利大丈夫?って勘違いして、モノマネだとわかって褒めたってエピソード。まさに同世代でロックも映画も好みが実は通じてるところがあったっていうのに運命を感じる。

本編終わってから、アンコールもあまり待たずに出てきてオーケンから再びニューアルバムの話と、釈迦でラスト。相変わらずで、まだまだ行くぞという気合を感じた。新グッズの半袖開襟シャツをおいちゃんとうっちーが色違いを着ていてお揃いで素敵だなーと思ってたら、最後の挨拶で背中にあるバンドロゴを見せて二人だけで手つなぎ挨拶をしていて可愛かった。

帰りは規制退場で溜まらないようにしていたから、仲間に会う事もできずに帰るしかなかったけど、たまたま近くにいた仲良しの子が声かけてくれて、駅まで歩きながら少しだけ話せて嬉しかった。ほっとした。いつもだったら仲間で集まって飲んでライブの感想とかいっぱい話して楽しいのに、それもできなくなって寂しい。いつか必ず再会できますように。