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「ワダチ」について調べてみました。

筋少ライブ28、29日2daysの2日目のタイトルは「ワダチ 〜再結成後の曲を多く含みつつ筋少を存分に! (注.『ワダチを演奏するかはわかりません』)と付けられています。この「ワダチ」、再結成前の94年アルバムレティクル座妄想」に収録されていて、ライブでやったことがあるかどうかも分からない、レア中のレア曲ということで、最近何度かオーケンのMCネタになっていました。この流れでとうとうライブタイトルにまでなったのですね。
筋肉少女帯オフィシャルブログ「筋少の大ブログ」: ある意味ワダチ的な?
これまでライブで演奏されたことがあるか?という件について、オーケンが意見が分かれているとブログに書いていましたが、私がtwitterで呼びかけてみたところ、レティクルツアーの追加公演(94年6月1日 中野サンプラザ)で1回演奏されていると証言を複数の方から頂きました。当時私も行ってる筈なんですが、記録を取って無くて覚えてなかったです。当時はあまりちゃんと日記を書いてなかったので…残念です。

さて、この「ワダチ」ですが、曲中の語りで、無実の戦犯処刑で亡くなった木村久夫さんの手記が引用されています。改めて調べると、1946年(昭和21年)5月23日、シンガポールのチャンギー刑務所にて処刑された、28歳でした。処刑される前にこの手記が書かれました。
これは日本戦没学生の手記である「きけわだつみのこえ(第1集)」に収録されているということです。
オーケンが当時どのような心境で、この曲に引用したのか、インタビュー資料などが今手元にないのではっきりは分かりませんが、その後に発表された「ゴスロリ幻想劇場」などの短編集でも、戦時中を舞台にした作品がいくつか見られます。オーケンが子供の頃から読んできた江戸川乱歩をはじめ、様々な戦時中の時代の文章が影響されているのだろうと思いました。

タイトルの「ワダチ」は、詩の中で使われているのは諺で「轍を踏む」のことだと思います。読みは「てつをふむ」ですが、意味は前の人がした失敗と同じ失敗をしてしまうこと。車輪のあとのことをワダチということから来ています。
また、松本零士先生のSF漫画のタイトルでもあるそうなので、根拠は分からないですけど、世代的にオーケンは恐らく知っていると思います。(私は読んだ事無いですが)現在20代ぐらいまでの世代ですと馴染みはないかもしれませんが、私でもギリギリなので。オーケンが先日大阪のライブで、おいちゃんが”宇宙に行く”と表現しているのを「松本零士の漫画みたい」と言っていましたね。宇宙が舞台といえば、999とかヤマトが代表的な松本零士作品ということで。

曲は内田さんの作品です。初期の「何処へでも行ける切手」の流れをくむ、70年代プログレの影響を受けた重厚で長めの曲です。パイプオルガンのような音色とメロディが印象的ですね。もし今度のライブで演奏するとしたら、三柴さんが演奏されるので聞き所です。橘高さんのギターソロも楽しみです。オーケンは語りを入れるのか?サビのキーがけっこう高いので原曲通りに歌えるのかどうか?やっぱり演奏しないのか…(苦笑)当日まで分からないのですかね。