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空飛ぶ雲の上団五郎一座『キネマ作戦』

6/30(水)〜7/5(月)新宿シアターアプル
全9公演のうち行ったのは、6/30、7/1、7/2、7/3(夜)、7/4(昼)、7/5の6回。

  • まとめて感想

考えこんでしまうと、時間がなくて2度と書けなくなりそうなので、感じた事をつらつらと書くことにします。
2年前の初演の時に、情報はかすかに入っていたのだけど、数年間の間に劇を見に行くモードに入って無かったので、気が付いたら終わってしまっていた。その後まもなく、ケラさんの舞台を数年振りに見に行って改めて感激してから、翌年にキャストとケラさんがコントを手掛けていたという詳細を聞いて、見ておくんだったと後悔して、次回やるなら絶対行きたいと思ってたのだけど、せいこうさん、ケラさん、くりぃむしちゅーの多忙さを見て、次回本当にできるのかどうか難しいのでは?と信じられない気持ちがあった矢先に、2回目の公演の知らせを聞き、しかも日替わりゲストに好きな芸人ばかりが出ると聞いて、できるだけ行かなくてはという気持ちを強くしていた。さらに、事前になるべく知識を貯えておきたいと思って、前々からケラさんの影響でモンティ・パイソンを見たいと思っていたのを、やっと行動に映したり、初演の時に発売された単行本を購入して、せいこうさん、ケラさん、また発起人の井上ひさしさんらの対談を読んで、喜劇にかける思いに心動かされた。私はとにかく舞台で最も好きなのは笑いなのだ。初めてケラさんの舞台を見たきっかけは、やはりバンドからなのだが、初めて劇団「健康」の舞台を見て、呼吸困難になるほど笑ったのにやみつきになって、それからバンドと平行して続けて見に行くようになっていた。ナンセンス・コメディをメインとした「健康」が解散して、ケラさんの舞台はまた新たな方面に発展していったことと、ちょうど自分が学生を卒業した環境の変化から、しばらく足が遠のいていたのだけど、去年再びナイロンの舞台を見てから、やはりケラさんの作るコメディが非常に好きだと思ったのですね。だからこそ、せいこうさんとケラさんが目指すこの「空雲一座」にとても期待を寄せていた。劇場を揺るがす程の笑いを取りたい、笑い死にする人を出す程の喜劇をやりたいという思いがあることに、私はとてもわくわくしたのです。
私は東京生まれで、すぐに家の都合で郊外に移った為に、10代の頃は東京でのライブに行くと時間を気にしていたので、大人になって東京に住んで、帰りの時間を気にせずライブや舞台を楽しみたいと願って数年前に実現できたので、今回の公演は本当に東京に住んでいて良かったなとしみじみと喜びをかみしめました(笑)喜劇の常打ち小屋を作ろうと目指して旗揚げされたというこの一座を、実現を願ってずっと見続けていきたいと思っている。私が見てきた舞台はケラさんの作品くらいで、他の文芸部の方々の舞台は見た事が無いのでまだ浅いのだけれど、昔の作品を知識として、これから趣味の一つとして少しづつ貯えていけたらと思う。今回の公演の内容としては、好みの笑いであることはすごく嬉しかった。どれも底に流れている「生と死」と、ナンセンスさの具合がとてもツボなのだ。ただ死にそうな程笑ったというポイントが無かったことだけは残念だったところ。映像ネタでは、モンティ・パイソン的なのを意識して作ったとパンフレットに書いてあった通りで、「ずっこけ講座」のVTRはとても面白かった。きたろうさんの顔が出ただけでも笑えるのはやはりすごい。「世界のコケ」最高でしたね。「こんにゃく」を動かす意味不明さなんか大好きだし、「カールは馬」の所で舞台と映像が繋がってるところが一番良かったと思う。アフレコも毎回内容が違ってたのが楽しかった。有田・住田・三宅のコンビが回を追うごとに息が合ってて素晴らしかった。この3人はおまけコントでもいい感じにはじけてて、三宅さんは有田さんのプロレスものまねが大好きなのだろう(笑)それから最終日の住田・三宅の即興の取り組みをはじめて、くりぃむの2人を戸惑わせてたのも偶然で面白かったな。それに上田のツッコミオンパレードは、これでもかと拾って例えツッコミを飛ばしてて、毎回会場をどかんどかんと笑わせていたのは、そのライブ感を目の当たりにして感激だった。そして、一番感心だったのはせいこうさんの七変化ぶりに、初日は驚きの連続で、才能溢れる人なのだなあと。この人だからこそ、これだけの俳優と作家陣とスタッフをまとめられたのだろうと思った。終わった後でふと思ったのは、舞台はもちろんだけど、「空飛ぶモンティ・パイソン」のように、15分くらいで途中にCMが入らないTVシリーズとか、映画での展開もあったらいいなーと思いました。
おまけに、くりぃむファンとしても、予想以上に大満足な最終日でした。いいのかな?とすら思ったりして(笑)とにかくありがとう、生きてて良かった。こんな素敵なことがまた訪れますように。