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ライブに行ってきました。

人間椅子の事を書こうとして、5年前に書いたアルバム紹介文を読み直したのですが、これ恥ずかしいですね。言わんとしている事は今も変わらないのですが。
人間椅子は、ハードロックのトリオバンドで、詩は江戸川乱歩谷崎潤一郎などの日本文学を題材にしています。青森出身のベース/鈴木さんと、ギター/和嶋さんが歌う津軽訛りのボーカルが、ブラックサバスの流れを汲む重厚で色の濃いハードロックサウンドに嵌り、他にはない独自の世界を作り出しています。ドラムの後藤さんは、日本を代表するプログレバンド、ジェラルドのメンバーでもあり、そのテクニックと表現力にも注目です。

…と、普通のロックリスナーに紹介する文章だとこんな感じになりますが、もっと広くアピールしてみたいです。興味のとっかかりは、やっぱりバックストーリーが心を揺らしますね。

鈴木さんと和嶋さんは青森の高校の同級生で、1987年、高校三年生の時にバンドを組みました。鈴木さんは上智大学に入学して、和嶋さんは駒沢大学に進み、偏差値の差を越えて(和嶋さん談)バンド活動を続けました。卒業後一時は就職活動をするものの、やはりバンドをということで、就職を止めてプロを目指すことになりました。
イカ天に登場して注目され、折からのバンドブームに乗り90年にメジャーデビューを果たしますが、ブーム終焉の波には勝てず、彼らも95年にインディーズに戻ってしまいます。しかし、見た目の奇抜さだけではなく、実力あるサウンドにHR/HM愛好家の熱い支持を受け、地道にじわじわとファンを増やしていきました。
ドラムは何度かメンバーチェンジがありましたが、一時サポートメンバーだった後藤さんが、その後1回のメンバーチェンジを経た後、正式メンバーとして加入し、ジェラルドと同時活動することになりました。
ところがそんな折、和嶋さんの実家の家業の事情で、一時的に活動停止を余儀なくされました。一時はもうだめかも…と思われましたが、ロックへの強い愛情と真面目な姿勢に、固定ファンは多く離れることはありませんでした。そして、98年に元のレコード会社と再契約して、再びメジャーデビューしました。
その後新たなファンも得て快進撃を続けますが、不況の波には逆らえず、昨日2/28のライブをもって事務所が終わりになってしまいました。どうするどうなる人間椅子?しかし次のツアーは既に決まっています。来年は最初のデビューから15周年だそうです。
昨日のライブで鈴木さんが「誰かが死ぬまで人間椅子を続ける」と言っていた通り、どんな障害があっても人間椅子は進んでいくでしょう。

こんな感じでしょうか。
それから、漫画ネタでいうと「無限の住人」の作者が人間椅子ファンで、イメージアルバムとして同タイトルのアルバムを出したことがあるんですね。私は漫画を後から読みました。来年「無限の住人」が実写で映画化されるらしいんです。これに椅子の曲が使われないかなー?
<映画ニュース→http://multi-cinema.com/news/news030203-8.html
使われるといえば、以前エロゲーの「鬼作」のED曲に使われた事がありました。これに使われた曲はアルバム「怪人二十面相」から「芋虫」です。エロゲーはやってないですが(笑)

結成秘話については、ベストアルバム「ペテン師と空気男」のライナーで、和嶋さんが詳しく書いています。これが感動的なので、ぜひここから見て欲しいですね。でも音源はどれも外れなしですから、あったら手に入れることをお勧めします。
それからオフィシャルサイトも立派でセンスが良いです。バンド、メンバー紹介ページは必見です。これを読むと、ライブのMCで見られる素朴さがそのまま現れてますね。

  • (追記)3/3

※ファンの方から、事務所は解散ですが、不況の煽りという訳では無くて、現在は自主運営を行っていると教えていただきました。ありがとうございました。